さるたに秘密メモ@はてなブログ

不定期更新。ゲームとか4コマ漫画などなど。

まんがタイムジャンボ2010年11月号 雑感あれこれ

レーカン!』(著:瀬田ヒナコ

放課後の校舎。
いつもと違って不自然なほど静まりかえった校舎は、普段は見えない…見たくないものと出遭うには格好のシチュエーション。
 
というわけでオカルト嫌いの井上さんと、オカルト現象に好かれすぎる天海さんの凸凹コンビの珍道中は、フツーの人には見えない天海ちゃんのお友達に囲まれるガクブルな極限状況から始まってしまいます。
 
霊には積極的でも人間相手だと引っ込み思案な天海さんの「あの…! 一緒に帰りたいのですが…!」という精一杯のアプローチに手を差し伸べる井上さん…と言えば美しい友情シーンなんですが、その実態は地縛霊に引きずられる天海さんを救い出すホラー映画そのものな状況なんで、とても心温まる光景とは言えません。
 
結局世話焼き体質が災いして、常人なら一生分の霊体験を味わうハメとなった井上さんと天海さん距離が縮まったか遠のいたかは神の味噌汁というところで…。
 

『パドラーズ・ハイ』(著:水屋杏里

――岩が近づいてくる、近づいてくる、「みんなっ、ターン!」
 
川の流れが真っ向から向かってくる難所をウィリーという奇策で攻略しようとするゆーゆたち。
だけど一見無謀な作戦は今まで積み重ねてきた努力に基づいた精一杯の創意工夫であって、勢い任せな根性論で済まさない展開はダイナミックさに欠けるかもしれませんけど、素人軍団の挑戦に確かな説得力を加えてくれています。
 
試合後の河川清掃シーンでマイペースでひたむきな空気を感じさせたりといった端々に見られる細やかな描写もあって、等身大のスポーツ漫画として安心して読める作品ですね。