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けものはいても慈悲は無い『キングコング 髑髏島の巨神』の圧倒的スピード感

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昔懐かしサバイバル怪物ホラーを今のCG技術とスピーディーな展開で大復活させたら、油断してもしなくても一瞬で虐殺されるジャングルで繰り広げられる濃密な地獄熱帯サバイバル映画が爆誕しました。


映画『キングコング:髑髏島の巨神』IMAX版特別映像【HD】2017年3月25日公開

 

本作のスピード感は徹底していて、主要キャラの何人かに濃密な設定を用意してそうでいながら「そんなことより怪物だ!」と言わんばかりに怪物!虐殺!サバイバル!と徹底的に畳みかけてくるので、裏設定なんて気にしてる暇はありません。

 

愛や哲学や裏設定を語る時間を排して、ジャングルのそこかしこに潜む奇想天外な怪物が人をサクサク殺していくショッキング&ダイナミズムに全振りした映画と言えましょう。

 

ここまで読んで「なんかグロそう…」と思ってしまう人がいるかもしれませんが、本作のレーティングはPG12(12歳未満は要保護者)レベル。
人がモリモリ死ぬ映画なのでそれなりにエグいシーンはありますが、血みどろグチャグチャな惨殺シーンみたいなのはありません。

 

こうなったのは「幅広い層に観てもらおう」という配慮より「人が死ぬ場面に割く尺なんて無ぇ!そんなことより怪物だ!」というコンセプトによるものだと思われます。
実際、ストーリー的に重要そうなキャラも、そうでもなさそうなキャラも、死ぬときは分け隔てなくサクッと死にますし、過去の因縁も、故郷の家族も、捨て身の決意も、死に満ちたジャングルでは一切考慮されません。

 

あくまで本作の主人公はキングコングをはじめとした怪獣たちなので、脇役でしかない人間どもは何の保証もない世界で生き延びるために足掻くしかないのです。

 

無駄なところを削ぎ落しつつ見どころを徹底して煮詰める構成はどこかで見た覚えがあるな…と考えてたら、『MADMAX 怒りのデス・ロード』もそうだったことを思い出しました。

 緻密に作られた設定に沿いながらも、畳みかけるようなアクションとストーリー展開で考えるヒマもなく楽しまされるスピード感は両作品に共通してますね。

 

こう思ってしまうのは『キングコング』『MADMAX』両作品の日本語版字幕翻訳を手掛けたアンゼたかし氏の影響を無視できないかもしれません。