まんがライフオリジナル2011年12月号 雑感あれこれ

12月生まれの少年　（著：施川ユウキ）

12月生まれの少年　? (バンブーコミックス　)

職員室は明るいな…知ってる先生がいる、心強い…
アレ？　あの先生、あんな顔してたっけ？　違う先生？　…誰？
　
小学４年生にとって、夜更けの学校は未知の空間。
見知ったはずの先生も何でもない忘れ物も、夜の闇を通して見ると謎めいたオブジェにしか見えない不思議時空と化した学校では、偶然出会った友達の葵ちゃんすらも謎めいた存在に見えてしまう柊くんでしたが、
　
不思議な時間が流れた。
なぜか僕は、今が「一生忘れられない特別な瞬間」なのだと、突然理解した。
　
ちょっとした思いつきで手と手を重ね合わせた瞬間が、何でもないはずの瞬間が、二度とめぐり合えない貴重な瞬間だったこと、それに気付ける感受性をちょうど持っていたことがどれだけ幸運なことだったかは、大人になってから理解できること。
　
終わらない一瞬が続く物語の締めにふさわしい余韻に満ちた最終回でありました。