まんがライフオリジナル2011年9月号 雑感あれこれ
モノローグジェネレーション (著:小坂俊史)
夏休みがある学生を妬ましく思うのは、夏の社会人にとって風物詩といったものですが、夏休みの真っ只中にいる人たちだって決して気楽じゃありません。
夏が終わるころ、私とあんたの距離はどれくらい離れてるんだろ。
あー、追いつく方法が見つからないや。
この休みが終わってしまうことは怖くないのに、
新学期が始まってしまうことがこの上なく不安です。
向上心溢れる体育会系な友人たちに置いていかれる焦りや夢破れた友人たちと再会することを考えると、夏休みの間も気が休まらない中学生ひとみ(13)。
あんたら一度でも「夏休みの予定」が、そのまま実行できた事はあるの?
そして大抵は何も出来ないままに突然終わっちゃったでしょ?
こんな怖いもの、他にないんだからね
定職に就かずに夢を追い続ける日々を「人生の夏休み」と揶揄される路上ミュージシャン・ニコさん(24)をはじめ、多彩な世代・環境にいる女性たちが主役という華やかさとは裏腹に世知辛くてやり切れない思いが錯綜する、ありふれていながら個性的な声にならない叫びが渦巻くこの物語。
…そんな彼女たちの思いも、夏が去るとともに否応なく流れ去っていくわけで。