さるたに秘密メモ@はてなブログ

不定期更新。ゲームとか4コマ漫画などなど。

まんがタイム2011年3月号&4月号 雑感あれこれ




 


 

みそララ』(著:宮原るり

「伝えたい想いがあって、話したいと思っていても、声にするのが難しい人もいるわ。だからちょっと待ってあげて」
「焦って言葉を奪ってはダメよ」

 
インタビュー初心者の麦みそさんのお相手となるのは、少々内気な職人さんという難敵でした。
 
大島さんの見事な言葉のキャッチボールを意識しすぎて空回りする麦みそさんへ大島さんが投げかけたアドバイスは、口下手な取材相手を気遣うだけでなく、気が逸って自分の持ち味を見失った麦みそさんをクールダウンさせる格好のキッカケになっているのが絶妙ですね。
 
自分のペースへ巻き込む、相手のペースに付き合う、取材のやり方に正解はないけれど、それはあくまで相手がいてこそのものという、当たり前なようで難しい基本を再確認したエピソードでありました。
 

『サクラ町さいず』(著:松田円

バレンタインにホワイトデーという恋する女子にとっての正念場、春田くんを巡っての恋敵である田中さんと鳥飼さん。しかしお互いの気持ちが分かってなお、人が良すぎてバトルに発展しようがない平和さは本作ならではというべきでしょうか。
 
そんな三角関係の頂点にいながらも無自覚きわまる春田くんではありますが、恋煩いでヨレヨレな田中さんを気遣うあたりは珍しく主人公らしくて男前。
 
「田中はあんまり不安とかいわないし頑張るたちだけど、つらい時は無理しない方がいいと思う。
そういうとこ、うちの母さんにちょっと似てる」
「ぜんぜん似てない〜〜!
春田くんのお母さんなら、こんなクヨクヨしないよ〜〜!」

 
そしてせっかくのチャンスに甘え下手な弱点を露呈しちゃう田中さんは、かわいいと同時にかわいそうになっちゃいますね。
 

『ソフテン!』(著:板羽皆)

気合も情熱もない廃部直前のゆるゆるな女子ソフトボール部にやってきた新監督は、一見俗物きわまる校務員のオッサン。
 
燃える展開も萌え要素もない、スポーツ部活ものとしては地味すぎる作品ではありますが、ええ加減なように見えて丁寧に部員に付き合う監督の言葉は、なかなかに含蓄深いものがあります。
 
「仲間は仲間をもっと知る必要がある、それは俺を含めてや。
俺にもっとお前らの事を教えてくれ。そして俺の事も知ってほしい」
 
「きく、外にどんだけ求めても人間は一生満足せえへんぞ。
姿形をどんだけかえても、恋人や友達をどんだけかえても、場所をどんだけかえても、
満足しなければ、外にあるものは全てただの飾りや」

 
野暮ったいけど見所はある、こうした作品こそ積極的に応援していきたいですね。