まんがタウン2011年2月号 雑感あれこれ
『そんな２人のＭｙホーム』（著：樹るう）
放浪の末にようやく自分の原点を再発見して、創作マシーンと化して帰ってきた輝パパ。
今までのような亡くした奥さんの思い出の残滓にしがみついていた頑なさとは決別して、好きだった人、今大事な人への想いを何の迷いもなく創作で表現できるようになった輝パパは、遂に一人の大人として自立できたようですね。
そんな輝パパが全精力と愛妻への思い出を込めた成果は種族の差を越えた母性を放つ突き抜けた大傑作として結実したようですが、精根尽き果てたついでに煩悩も抜けきったのか、はたまた創作バカという本来あるべき姿に帰ったお陰か、今までとは正反対なザックリさ加減は、舞さん＆ヒロちゃんもぶっ飛ぶほどの変身ぶり。ここまでくると安心を通り越して逆に気がかりになりそうです。
しかし今回も含めた一連の物語は、ここまでに至る経過を追っていてこそ盛り上がれるものであるのも事実だったり。
そんなワケで、コミックスで一気読みできる日が待ち遠しくて仕方ないです。
『せんせといっしょ！』（著：笹野ちはる）
仕事始めで大張り切りな莉緒先生。今日も元気印なのはいいんですが、さっそく桃先生が心に秘めた地雷を全力で踏み抜くあたり、新年早々危なっかしいところは相変わらずです。
…ここで莉緒先生を責めるのは酷ですが。
ド天然な莉緒先生、生真面目で巨乳な凛先生、年齢その他が色々ナゾな桃先生、そんなツッコミどころ多彩な保母さんたちが園児たちに振り回されつつ奮闘する本作は、テーマ自体は定番ながらもネタの絶妙な練り方で楽しませてくれる正統派の仕上がり。
「まだ凧あげしてる人もいるし！」「かりあげ!!」
「門松くらい知ってるよ！」「…え？」「だから門にある松だから
本誌のテーマに合わせたタイアップ（？）から音声のないマンガならではのメタフィクションと、今回はさりげなく凝ったネタが光っていて、マンネリとは無縁そうな巧みさで楽しませてくれます。
