さるたに秘密メモ@はてなブログ

不定期更新。ゲームとか4コマ漫画などなど。

まんがライフMOMO2011年2月号 雑感あれこれ

『晴れのちシンデレラ』(著:宮成楽

昔作った手作りカルタで遊ぶのんびり微笑ましい家族団欒の図…というのは普通の家庭。春日さん家の場合は極貧時代のしょっぱい記憶と超人的な母子がせめぎ合う、涙はにじむわ手に汗握るわという波乱万丈な限界バトルだったりして。
 
「もう手加減がいらない年になったものね…」
「抜いた手しか見えなかった…!!」「抜いた手が見えたの!?」

 
北斗4兄弟の次男的な実力と限界を持つお母様に挑む姉弟の死闘が激しさを増す一方、つつましいなんて言葉じゃ済まない読み札の痛ましさに心優しい読み手のじいやさんが耐えられるかが焦点と思われた戦いも、子供たちを愛するが故に限界を超えて子供たちを終始圧倒したお母様の勝利。
 
色々と規格外な対決でしたが、この決着の付け方には本作らしい優しさを感じますね。。
 

『わびれものゴージャス』(著:小坂俊史

「どこが”ゴージャス”なの?」とか突っ込んじゃう人は作者に踊らされてる負け組。
 
去年の末に出来たばかりで観光的な見所も未完成という東北新幹線 七戸しちのへ十和田湖駅の空虚なわびれ感は確かに見ものではありますが、この寒々しいフルカラーな画を世間では萌え主体で通ってる雑誌で見せられる読者のやるせなさは、ちょっと表現できません。
 
今まで行った数々の「何もない」場所には「何もなくなってしまった」寂しさや切なさが確かにあったが、「まだ何もない」ここにはそれすらもなく、できたての世界にだけ与えられる本物の空虚があるのです。
 
ニュアンスの異なる”寂しさ”が見事に言い表されていますが、「ゴージャス」と冠した新連載の第1話にそんなネタを持ってくる小坂先生の本気度に、本作の行く末が楽しみだったり心配になったり。