さるたに秘密メモ@はてなブログ

不定期更新。ゲームとか4コマ漫画などなど。

ゲームサイド2010年8月号 雑感あれこれ

 
とうとう最終号となってしまったゲームサイドではありますが、いざ読んでみると結構スタンダードというか、手堅い構成となっていますね。
 
しかし連載ページを読んでみると、いつも以上に内容を詰め込んであったり、趣味や思い入れを全開にしたりと、各ライターさんごとのやり方で本誌とのお別れを告げているのを見ると「ああ、終わっちゃうんだなぁ…」と実感してみたり。
 

巻頭特集 シミュレーションRPGを読み解く

3年前にあった『思考の楽園』以来のシミュレーションRPG(以下「SRPG」)特集です。
 
表紙やリメイク新作が取り上げられている『FE紋章の謎』などのメジャー作品が多いかと思いきや、個別タイトルレビューの『名作紹介』などで渋めのタイトルが取り上げられていたりと、メジャーとマイナーのバランスはなかなか上手く取れているんではないでしょうか。
 
それとSRPGの草分け的存在として『飛装騎兵カイザード』が紹介されていたのは個人的に嬉しいところでした。
ロボットアニメファン狙い撃ちな外見に惹かれてプレイしてみると、軽快に進めるバランスと腰砕けなボケとツッコミで、初心者でも気軽に遊べる良作でした。
 
しかし、かつて竹本泉先生が「まるで末弥純さんが挿絵を描いたハヤカワSF文庫」と評した『ハイブリッド・フロント』や、星の屑作戦な架空戦記『リング・オブ・レッド』をSRPGと呼ぶのには少々違和感が…どっちも大好きなんですけどね。
 
そういや、この2作品に触れたキッカケは『ユーズドゲームズ』と『ナイスゲームズ』の紹介記事だったなぁ…としみじみ。
 

ゲーム名作選拡大版 バイオニックコマンドー特集

GO!GO!GO! バイオニック! と水木アニキの熱唱がつい思い浮かんでしまうワイヤーアクションがテーマのシリーズ小特集は、古参読者には懐かしいレイアウトを交えつつPS3/360での最新作&リメイク版とGB版を紹介する、ページ数は少ないながらも密度の高い内容に仕上がっています。
 
最新作は興味がありつつも買い損ねていたので、これを機にやってみようかな。
 
 
以下はちょい折りたたみ。
 
ゲームサイド』は今回で休刊となってしまいましたが、ぶっちゃけると「よくここまで持たせたもんだ」というのが正直な感想です。
 
Webが一般に浸透した事で、個人サイトのゲームレビューと競合するようになった…なんて話は旧『ユーズドゲームズ』時代からあったわけで、今さら理由にはなりません。
 
良くも悪くもアマチュアっぽいゲーム語りが魅力だった『ユーズドゲームズ』が『ユーゲー』になった際は、より変化球的な切り口へシフトした感がありましたが、この頃から既にネタ切れとのせめぎ合いが始まっていたように思われます。
 
元々のコンセプトである「見知らぬゲームの発掘」について、当時から読者ページで知らないゲームを取り上げることに否定的な意見もありましたし、『ユーゲー夏祭り増刊』では「マイナーゲーム特集をやった号は売り上げが落ちる」なんて話もあったりと、マニア受けのいい記事だけでやっていくのは厳しかったように見えます。
 
ゲームサイド』になってから新作紹介や有名シリーズの特集が増えたのも、そんな現状を踏まえた生き残り戦略だった事は素人目にも分かりますし、それが一概に悪いとは言いませんけど、どうも守りに偏りすぎた感は否めないというか、ジリ貧な状況に陥っていたように思えます。
 
ぶっちゃけ、誰でも知ってる名作をフツーに紹介した記事なんてものは『ゲームサイド』でなくても読めますからね。
 
『ゲーム名作選』や『プレイステンレス』改め『ゲームテラス』といった発掘系の記事は安定した質をキープしていましたし、個人サイトには真似の出来ない『幻のゲームを追え!』などなど、個人的には「昔よりつまらなくなった」とは思いませんが、こうした連載が本誌を支えられるかは話が別ですしね。
 
 
…と、批評だかグチだか分かんない事を長々と書いてみましたが、ゲームは好きだけど流行りモノには馴染めないヒネたゲーオタでも楽しめる雑誌を今まで作ってきてくれたスタッフには、感謝の念で一杯です。
 
今までお疲れ様でした。