まんがタイムジャンボ2010年7月号 雑感あれこれ

『パドラーズハイ』（著：水屋杏里）

猪突猛進な女子高生ゆーゆちゃんが勢い任せに立ち上げた部活は、激しい川の勢いに挑むハードなアウトドアスポーツであるラフティング部でありました。
　
連載開始当初は正直地味に思えましたが、地に足の着いたキャラクターたちのマイペースでひたむきな練習光景は、汗臭さを程よく排除した女の子たちの頑張りと、押し付けがましさの無いリアリティを感じさせる練習光景のお陰で、肩のこらない程度に楽しめるスポーツ漫画として上手く仕上がっていますね。
　
練習試合で惨敗したことなんてどこ吹く風といった前向き100％なゆーゆ、頼りないけどネガティブさとは無縁なしおっち、そしてムードメーカーかつオチ要員なあいちゃんたちラフティング部三人娘のバランスも絶妙で、このまま細く長く続いて欲しい作品ですね。
　

『天文むすめ』（著：高内優向）

ここ最近のタイム系列誌で『livedoorデイリー4コマ』で活躍する作家さんをよく見かけますが、本作もそうした流れの一環と思われます。
　
自己主張が激しい風紀委員の取り締まりをものともせずにアウトドアな天体観測を楽しむ天文部（仮）ですが、割と本気で趣味に没頭するすばる部長の周りに面白半分で集まるおバカなきららちゃん＆自称宇宙人なレティちゃんの、ストイックさなんてどこ吹く風なドタバタハイテンションコメディには、『まんがライフWIN』連載作品の『まんがらない』に通じるノリを感じますが、こうしたテキトーさは生業ではない「部活」がテーマである本作にこそハマるように感じるのは考えすぎでしょうか。
　
…けど本作は、そんな小難しいことは置いといて、のーてんきに楽しむのが正解だと思われます。
ユルユルな分だけ引き出しは多そうですし、連載化に期待したい作品です。