『うちは寿!』(著:小池恵子)
大人の階段を登ってしまうと、もう過去へは戻れない…。
てなワケで、幼児向けビニールプールを卒業して小学校の広いプールを堪能する千宏君ですが、愛用していたくじらのビニールプールを手放せるかというと話は別。思い出の品とのお別れは理屈じゃ片付かないものです。
そんな複雑な思いを抱える千宏君の理解者は大人と子供の狭間にいる美鶴ちゃんですが、どうやら千宏君以上にくじらプールと別れ難いようですね。
しかしネコ鍋ポーズでくじらプールとの別れを惜しむ彼女の艶姿は、邪な大人にとっては目の毒と言うか保養と言うか…。
教育実習生としてやってきた浜先生。慣れない授業でパンク寸前な彼女にとっては、生徒から受ける無言のプレッシャーはちょいと重すぎるようで…。
その視線の主は、もちろん口下手な森田さん。
二人とも真面目で一生懸命なのはいいんですが、ひたむきさが空回ってしまうとロクな事にならないという典型例になってしまっています。
けど、真摯な気持ちがたった一言でも伝われば、人を元気付けるには充分なのです。
…ところで今回は、牧先生がちゃんと仕事をしてる姿をはじめて見たのではないかという、どうでもいいことを思ってみたり。