まんがタイムコレクション『ひらのあゆコレクション』 雑感あれこれ
島の人 (著:ひらのあゆ)
「我々は自由の身になった。自ら進んでここに住む。
君も自由だ。どこへでも行ける」
前回の終わりで新キャラが登場するなど、これからどう展開していくのか…と思っていたら割とあっさりクライマックス。
マリエたちが辺境の孤島に住んでいたのは大富豪の跡取り問題が絡んでいたこと、新しい跡取りができたことなど、一気にぶちまけられる設定の洪水にはゴウでなくても勢いに押し流されてしまいますが、この鷹揚な一方で自分勝手な父親に人生を翻弄されてきたマリエの背景を知ってしまうと、彼女の達観した物腰に何とも言えない哀愁を感じるのは穿ちすぎでしょうか。
そんなこんなでカイルや新キャラ・リンダたちと共に最果ての孤島で静かに暮らしていくことを選んだマリエ。
若い身空で隠遁生活に入ると思えば何ともやるせない人生に見えますが、他人の都合で生きてきたマリエがようやく掴んだ自由な人生と考えれば、これはこれで悪くない生き方かもしれませんね。
「まァゆっくり考えさせてよ。もう脳ミソ限界」
そして素直に屈折した親友たちの気持ちを汲んで、彼らと共に島へ留まることにしたゴウ。
「何もしない」ことを選んだ彼らは決して建設的でも立派でもないですが、広い世界にこんな人たちがいる余裕があってもいいですよね。
「ここは元々そういう所ですから」
好きなだけごゆるりとなさいませ