さるたに秘密メモ@はてなブログ

不定期更新。ゲームとか4コマ漫画などなど。

KINACO探訪記

去る11/23…と、気がつけば半月くらい前の話になりますが、国内どころか世界でも稀に見るレベルの品揃えで全国のレトロゲームマニアを騒然とさせたゲームセンターというかATARIセンター・KINACOに行ってきました。
東京への遠征と重なって行けなかった初オープン日(10/26)もかなりの客入りだったそうですが、この第2回オープン日は前回に輪をかけた盛況ぶり。
開店前から行列ができていると聞いて夕方くらいに来店したのですが、ロボトロン2084かSmashT.V.もかくやという混雑ぶりに軽くビビってしまったのはここだけの話。
オーナーのコレクションが中心というATARI社のゲームで埋め尽くされた店内は、内容的にも物理的にも濃密極まりなかったです。
 
家庭用ゲーム機に移植されたことで比較的知名度が高い『ペーパーボーイ』『マーブルマッドネス』『レースドライビン』が専用筐体で置かれてるのは当然として、『メジャーハボック』『ルナランダー』『アステロイド』等といったベクタースキャンのゲームがブラウン管モニター用のゲームより多い店が21世紀になって10年以上経つ現在に存在してる時点でおかしいというか、「今は何年なんだよ!」と嬉しそうに叫ぶお客さんもいたし。
こんな風変わりなゲーセンなだけに、集まる客層も他店とは一味違う感じ。
 
前回の初オープン日が評判になったようで北海道やフランスなどの国内外のレトロゲームマニアがこぞって訪れたために、同じ穴のムジナ同士という連帯感で客同士が気軽に声を掛け合い、熟練者が嬉々としてゲームのコツを初心者に教えたり、イケてるプレイを皆で褒め称えるという妙なアットホーム感が溢れてて、ゲーセンというよりオフ会で遊んでるみたいな雰囲気でした。
ATARI名作中というゲームが揃っているだけに、ゲーム自体もがっつり楽しめました。
現在はPS4のキーマンであり『クラッシュ・バンディクー』等を手がけたマーク・サーニーが10代だった頃に『マーブルマッドネス』と並んで天才性を轟かせた、縦シューティング&横スクロール探索アクションをローラーコントローラーによるアナログ操作の手さばきで切り抜ける『メジャーハボック』は30年以上前のゲームでありながら、様々な要素を貪欲に盛り込みつつテンポよく遊べる傑作で、今の観点でも古びていません。
他のゲームもサイバー感あふれるベクタースキャンのビジュアルショック、慣れないと速攻で終わっちゃう高回転のゲームバランスによるスピードショック、キンキンに響くPSG音と音声合成によるサウンドショック!
そして何より、より高性能な家庭用ゲーム機でも再現しきれない各々のゲームごとに作られた独自のデバイスによる体感ゲーム的な操作感は、他のゲーセンでは得難い体験でありました。

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天津向の4コマトーク Vol.24 雑感あれこれ

10/26に開催された阿佐ヶ谷ロフトの4コマトークへ行ってきました。
個人的には昨年8月に大阪で開催されたVol.19以来、久々の参加になります。

今回は『野村24時』の板倉梓先生をゲストに迎える一方、最終号が発売されて間もない『まんがくらぶオリジナル』の思い出を偲ぶ回でもあるという、参加者にとっては何とも複雑な思いに駆られるイベントでありました。

野村24時 3 完結 (バンブーコミックス)

野村24時 3 完結 (バンブーコミックス)

来月には出産予定という大事な時期ながら旦那さんの勧めもあってゲスト参加した板倉梓先生ってば、自分から「ボテ腹」と連呼するわ、質問コーナーで「みんなネットでは言ってるくせに!」と『少女カフェ』の完結巻を出せずじまいだった顛末を自分から積極的に振るわ、天津向氏が言った「箱庭」というフレーズをイベント最後の”4コマとは”色紙に堂々と使っちゃうわと、緊張してると言いながらもやりたい放題でありました。
少女カフェ(1) (まんがタイムコミックス)

少女カフェ(1) (まんがタイムコミックス)

そんな板倉先生のタフさは、数年にわたって好きな漫画に触れられなかったデザイナー時代を経て、一念発起して持ち込みを繰り返した挙句に担当編集さんの転職や伝手を通して、存在すら知らなかった芳&竹の4コマ業界でデビューを果たすことになった波瀾万丈のマンガ家人生で培われたのかも知れませんね。

尚、4コマトークスペシャルメニューに付いてくるオマケは無事に確保。
今回は板倉先生直筆の鉛筆描きネームという、普段の描きおろしイラスト付きアイテムとは一風違ったオマケとなりましたが、これはこれで貴重なプレゼントですね。
私が頂いたのは、偶然にも壇上でオマケの一例として紹介された『野村24時』のネームでした。

普段のイベント感想に加えて特別にアンケートを会場から募った『まんがくらぶオリジナル』追悼トークでは、『つきひめさま』(著:佐藤ゆうこ)『シュレディンガーの妻は元気か』(著:中島沙帆子)『モトリョ。』(著:幌倉さと等いぶし銀的な作品にスポットライトを当てつつ、『スポコミ』時代から遡って小坂俊史先生、佐藤両々先生、たかまつやよい先生らを発掘した功績に触れ、「終わらんでもええやん…」と『くらオリ』との別れを全力で惜しむ天津向氏へ同意せざるを得ませんでした。
(ちょっとあざといとは思ったけど)「”くらオリの思い出”って言われても難しいよね」
「『チク(中略)ワ』は割と黒歴史だったような(笑)」
くらオリの黒歴史って言うなら『エコエコ(以下略)』を載せちゃったことでしょ!

ニセ科学を10倍楽しむ本

ニセ科学を10倍楽しむ本

…なんてやりとりをそのままアンケートに書いたら壇上で読み上げられてしまって正直驚いてしまいましたが、その次に読まれた某くらオリ連載作家さんの宣伝バリバリな回答に全部持っていかれたのが悔しくもホッとしたりして。ちなみに『くらオリ』初代編集長へのインタビューも画策されていたようですが、連載作家さんに申しわけないとの理由で実現しなかったとのこと。
 
…義理堅い話ではありますが、その配慮を創刊号から最終号まで15年以上連載し続けながらも単行本化されずじまいだった『もしもしぐま』(著:梶原あやにも向けてほしかったです。

まんがくらぶオリジナル2014年11月号 雑感あれこれ

15年半の応援感謝!くらオリ最終号!!
まんがくらぶオリジナル」は次号12月号をもって休刊いたします。
最終号、編集部総力でお届けいたします。
最後までどうぞよろしくお願いいたします。

 
まんがくらぶオリジナル休刊のニュースに対する、各界の反応 - Togetterまとめ http://togetter.com/li/722537
 
4コマ誌としては比較的古株にあたる本誌ですら、出版不況に太刀打ちできなかったというのは何とも悲しいですね。
表紙の安西信行先生をはじめ、4コマ畑以外の作家や新人を積極起用してきた攻めの姿勢は好きだったのですが…。
 

のぶながちゃん公記(著:くりきまる)

尾張織田信長には秘密がありました
女の子が替え玉をしていたのです

 
歴史if&TS&百合と多くの要素を取り入れつつ、そのいずれにも手を抜かない欲張りなところが魅力の本作。
その上にロリ&おっさんという業の深いカップリングが形成されるという不埒な事態が勃発している一方で、「くらオリ」休刊以降の身の振り方が不明というのが実に心細いですね…。

まんがタイムスペシャル2014年11月号 雑感あれこれ

恋愛ラボ(著:宮原るり

何だかんだ言いつつもヤンへの気持ちを自覚しだしたマキ&幼い頃にナギを傷つけてしまった告白事件の真相を知ることになりそうなリコ。
 
主人公二人を巡る状況が大きく動き出したわけですが、ナギとヤンが初登場した頃から張られていた伏線が回収されるまでにかかった年月へ思いを馳せると、呑気というか、気の長い展開に付き合ってくれる雑誌で良かったというか…。
(作中では数ヶ月くらいの話ですけどね)
 

主任がゆく!スペシャルVOL.79 雑感あれこれ

死神さんが通りまス!(著:火ノ鹿たもん)

連載を途中から読み始めると、コミックス化されてないのがもどかしくて仕方ない作品ってありますよね。
 
人の死を淡々と見送るどころか生き甲斐を(無自覚に)与えてしまう死神と、死神の存在を知りながら運命に抗う医者の二人を軸に描かれる本作は、今後の展開はもとより、最近になって本誌を読み始めた私の場合は第1話から読み返したくてウズウズしてしまいます。
 
…ところで企画ページ『人生を変えた一冊』では、『死神さんが通りまス!』の原点にもなったというBJ先生&Pの子の火ノ鹿先生入魂のイラストが全力で修正を食らってますが、キャラ絵はNGでも作品名はOKというのは面倒臭ぇというか何というか。

まんがライフ2014年11月号 雑感あれこれ

ウリとツメ(著:佐野妙

ウリとツメ 1 (バンブーコミックス)

ウリとツメ 1 (バンブーコミックス)

可愛げのなさがコンプレックスになってる子が無自覚に見せる可愛さの破壊力は格別ですね!
 
…というわけで、今回はハロウィン回かつツメちゃん回。
普段は桜子ちゃんの保護者ポジションながら変なところで意固地なあたり、しっかりしてるようで誰よりも子供っぽいのがツメちゃんの可愛いところ。
そりゃあ桜子ちゃんもツメちゃんの家族も構わずにはいられませんよね。

まんがタイムファミリー2014年11月号 雑感あれこれ

教壇のポラリス(著:鴨鍋かもつ)

「天川先生 天文台で働いてた時のこととか 昔のこと話す時 寂しそうだよ
 何で杏たちに教えてくれるの? 言いたくない辛いことじゃないの?」
「…忘れるのは簡単だけど それじゃ解決にならないから
 今の私がどうしてここにいるのか みんなに知ってほしいからだよ」

 
笑顔の裏に抱えた不安に押しつぶされそうな生徒たちから天川先生が信頼されているのは、天川先生自身が過去に負った心の傷から逃げないひたむきさがあってこそなんでしょうね。
 
それはさておき、
■『教壇のボラリス』は次号より『先生と星が教えてくれたこと』と改題をいたします
…だそうで。
 
連続ゲストとして掲載されてた本作が2年近く経った今になって改題されたのは単行本化のフラグか!?
…と喜びたいところですが、タイム系列誌では改題=単行本化とは必ずしも言い切れない上に、改題のお知らせがホ゛ラリスと誤字ってるのが激しく不安を誘います。
 
ホ゜ラリス(Polaris)だよ!
船乗りの道標である北極星だよ!
作品のテーマに関わるタイトルを変更するんだから、テキトーにやってもらっちゃ困るんだよ!
 
…マジで頼みますよ、タイファミ編集部さん…。