さるたに秘密メモ@はてなブログ

不定期更新。ゲームとか4コマ漫画などなど。

アドベンチャーゲームサイド Vol.02 雑感あれこれ

文章の密度はそのままにページ数増量という大盤振る舞いが物理的にも手応え満点な半年ぶりの第2号ですが、取り上げている作品は前号同様に携帯ハードやスマートフォンのダウンロードタイトルが多めな上にゲームブック特集まであるので、ゲームサイド史上で最も据え置きハード作品の比率が少ない号でもあるんじゃないでしょうか。
 
こうした傾向は、ハードスペックや操作デバイスの性能にあまり依存しないアドベンチャーゲームというジャンルがゲームハードの流行り廃りに影響されない普遍性を持つことの現れかもしれませんね。
 

シリーズ小論 ファミコン探偵倶楽部

ディスクシステムを持ってなかったので当時は遊べず、その後に発売されたリメイク版も思い入れが無かったのでスルーしていた本作ですが、コンピューターゲームならではの演出的仕掛けの妙や、横溝正史らを踏まえた本格派ミステリとしての完成度を語る各ライター氏の熱いエッセイを読むにつけ、これは一度くらい手を付けておくべき作品ではないか…と心が揺さぶられまくりです。
 
そう思って特集を読み返してみると、ネタバレや裏事情には触れず「小論」の立場に徹しているのは、新規プレイヤーに対する思いやりと誘いなのが察せられて、もどかしいやら有り難いやらな気持ちになりますね。
 

ゲームブック特集

双葉社ファミコン冒険ゲームブック」を中心に振り返る ”あの頃”のゲームブックのこと

スーパーマリオ』や『ドラクエ』の爆発的ヒットで文字通り一世を風靡したファミコンブームと、新興ジャンルのゲームブックが同時期に出現したのは、次々と発売される新作ソフトを買う小遣いはないけど雰囲気は味わいたいファミコン小僧にとって、実に幸運な巡り合わせでありました。
 
かく言う私もファミコンゲームブックの直撃世代だったので、SF世界で放浪するマリオや時事ネタてんこ盛りの桃太郎が活躍する双葉社作品や、オタクネタ全開な『III』&サマルトリア王子カインがローレシアの王子より目立つ『II』といったエニックス謹製のドラクエゲームブックを楽しんだものです。
…こうした作品が、電子書籍あたりで復刻されないかなぁ。
 
今回の特集では、当時「ファミコン冒険ゲームブック」を手がけていた塩田信之氏による記事が、時代背景や制作の流れを語ってくれている上に現代のゲームブック事情についても言及されていて、実に読み応えがありました。
 
この手のファミコンゲームブックは掘り起こし甲斐がありそうな鉱脈ですし、今後も継続して紹介してもらいたいですね。
 

スマホでよみがえるゲームブック iGameBookの魅力

http://igamebook.jp/
iGameBookで名作と名高い『展覧会の絵』をプレイして真っ先に感じたのは「今まで手書きでやってたことを自動で管理してくれるゲームブックはこんなに楽しく遊べるんだ!」という感動でした。
 
数値の増減やアイテム管理といった煩雑な作業はオートでお任せできる上、前の選択肢を選び直せるわ、気に入らないダイスを何度でも振り直せるわと、電子書籍の利便性はそのままに紙のゲームブックで可能だったチート行為を無制限に認めるというのは、ストーリーとゲームバランスに対する揺るぎない自信に基づいた英断ですね。