さるたに秘密メモ@はてなブログ

不定期更新。ゲームとか4コマ漫画などなど。

4コマ徒然語り 第1回 『CONTINUE?』全2巻(著:ひさの瑠珈)

「第1回」と言いつつ、第2回があるかどうかは未定なのであしからず。
 

CONTINUE?』という漫画&コミックゲーメストという雑誌

”ゲームセンターを10倍面白くする本”ゲーメストの姉妹誌として出版されながら『アクアリウム』(著:須藤真澄)のようにゲームと無関係な個性派作品が載ってたり、桜瀬琥姫、しろくろ(藤島じゅん)、エドモンド荒川(荒川弘)等、後にプロとなる作家が読者投稿コーナーの常連として活躍していたりと、ゲームのコミカライズ以外の点でも妙な存在感があった『コミックゲーメスト』で連載されていた本作『CONTINUE?』は、ゲーム漬けだったりそうでもなかったりする女の子たちを描いた、いわゆる「日常系4コマ」にあたる作品です。
 
コミックス1巻の初版発行は1995年7月10日。
ちょうど『ももいろシスターズ』や『私立T女子学園』といった、女子高生たちの赤裸々な日常を描いたコメディ4コマが注目され始めた時期と一致しますが、本作は掲載誌とテーマがマニア向けだったせいか「早すぎた『らき☆すた』」になってしまったのが少々勿体ないですね。
 
今になって読み返してみると、1巻ではストII以降の格ゲー景気に沸き立つゲーセン業界の熱気を、2巻以降は次世代機フィーバーの勢いに乗ってゲーム業界へ参入した新興メーカーのお祭り騒ぎをちょいと斜め視点から描きつつ、携帯電話もSNSも無かった頃だって女の子は今と変わらずエネルギッシュだった華やかな時代の思い出語りという観点でも楽しめますね。
 

今月のお怒り

先ほど「日常系4コマ」と書いたように基本はゆるいノリなのですが、時折作者の代弁者として主人公たちがぶちまける怒りネタ(SNKのゲームじゃなくて)の妙なリアリティが程よいアクセントとして効いています。

ゲーマー女子による容赦ないツッコミの数々は共感できたりハッとさせられたり、なかなかに刺激的でありました。
 

柊妙子さんという人

ミッション系女子高に通う成績優秀な才女でありながら、デパートのゲームコーナーから場末のゲーセンまで制覇しつつパソゲーも嗜むガチオタクという、技の残念女子高生一号。
 
若くして”濃い”オタクでありながらツッコミ役を努め、後に女子大生→ベンチャー企業の女社長…とクラスチェンジしたりして、本作で最も忙しい人なのですが、興味を持ったことへ全力で挑むエネルギッシュさは終始ブレないのが格好いい娘さんであります。
 

浜村真砂さんという人


お嬢様学校に通う清楚な社長令嬢でありながら、恐竜並みの知能と体力に加えて直情径行な正義感の持ち主でもあるせいで周囲のヤンキーからも「あのお方」と恐れられる、力の残念女子高生二号。
 
高校時代は柊さんに較べて割と常識的な女の子…に見えてましたが、連載が続いていく間にすっかり脳筋お嬢様なキャラが定着してしまってちょっと気の毒なのですが、本人はさして気にしてないようだから別に問題ないかもしれません。
…そうか?
 
 

大貫一美さんという人


成績優秀ながらも問題児な柊さんの担任教師として日々苦労しつつもゲーセン通いはやめられない…困った生徒たちと良くも悪くも対等な、力と技の風車が回る残念女教師。
 
柊さんが高校を卒業してもちゃっかりレギュラー出演する行動力はお見事ですが、学校を離れるほどにダメなお姉さんキャラが強調されちゃったりして。
…けど年上の友人として要所を締めるあたり、さりげなくおいしいポジションにいる人でもありますね。
 
 

小暮悠香さん&藤沢卓也君という人たち


色々ヤンチャをやらかしては真砂さんにシメられてた悠香さんですが、1巻半ば位で藤沢くんという彼氏が出来たりして、レギュラーキャラ中で一番のリア充に昇格!
 
…かと思いきや、幸せそうなのは本人たちだけな超絶薄幸カップルとしてのキャラを確立してしまったり、2巻以降はすっかり番外編要員になっているのがまた涙を誘います。
 
 
 

その他の人たち

悠香さんの恋の(?)ライバルとして華々しく登場後、クールかつ不器用なせいで色々損ばかりしてる高村くん。
どこに出しても恥ずかしいマッドサイエンティストな教授。
不良債権…かと思いきや、その実態は謎の超絶万能サラリーマンだった鈴木さん。
 
などなど、1巻後半からキャラがもりもり増えているのに、2巻で収めるために話を一気に畳んでしまった感が否めません。
しかし全話+ゲーメスト本誌の付録分までがコミックスに収録されたことを考えると贅沢は言えませんね。