さるたに秘密メモ@はてなブログ

不定期更新。ゲームとか4コマ漫画などなど。

シューティングゲームサイド VOL.04 雑感あれこれ

美形キャラをフィーチャーしたゲームが珍しくもない御時世に、吼え猛る闘争心あふれる究極でTIGERな表紙なんて世間的には有り得ませんが、我々の世界ではご褒美です。
 

東亜プラン特集

会社の立ち上げからのメンバーだった上村建也氏、弓削雅稔氏への取材を軸に、シューティングメーカーとしての東亜プランへスポットライトを当てた、資料的価値が非常に高い特集に仕上がっています。
 
特に社長は「何でそんな名前つけるんだ?」と。だから「タイガー(ヘリ)が究極になるんですよ、この弾見てくださいよ!」って(笑)
東亜プラン元・開発者インタビュー2 弓削雅稔氏)

 
某同人誌のインタビュー記事で上村建也氏が語った「タイトルの音が”ドギューン”って聴こえるっていうそれだけの理由で。」に見られる、ゲーム本編さえちゃんと作れりゃタイトルなんかテキトーでいい!と言わんばかりのゲームバカっぷりが実に東亜プランらしいですけど、その一本気な気質ゆえに世間の流行へ付いていけなかったのは皆さんもご存知の通り。
 
「東亜の残党」と呼ばれるメーカーで最も健闘しているケイブが一見好き勝手にやっているようでいながらも、実際はネットゲームにソーシャルアプリといった手広いジャンルで手堅くやっているのは東亜プランのマイペースさを反面教師にした…というのは穿ちすぎでしょうか。
 
ちなみにシューティングに開眼したのが比較的遅かった私が初めてハマった東亜プラン作品は『BATSUGUN』になるんですが、これが東亜シューティング最後の作品だという非情な現実に色々と複雑な心境にならざるを得ません。
 
東亜プラン作品がアーケードゲームの家庭用移植で名高いM2社によって現代に蘇るというニュースが昨年の冬に話題となりましたが、この件について今回の特集では続報なし。
しかしこの特集記事が組まれたという事実が、当時の関係者にも詳細不明とされていた東亜プランの権利関係がはっきりしている証拠でもあるわけですし(”(c)ARENA”が現在の権利者である様子)、今後の展開へ気長に期待したいですね。
 
東亜プランは消え去りはしません。我々がその偉業を記憶し、シューティングを体系立てて解釈する限り、決して、消え去りはしないのです。
 

誌上レポート 慶野由利子氏、ナムコ在籍時代の音楽について語る

ディグダグ』『ゼビウス』を始め、多くのナムコ作品で音楽を手がけた慶野由利子氏が、フェリオ…もといフェリス女学園大学で昨年10月に行った特別公開講座の様子をまとめたレポート記事。
ゲーム音楽史において多大な功績をあげた慶野氏の講座とあってゲーム業界人からの注目度も高く、Web上でもちょっとした話題になっていました。
 
Twitterまとめ『慶野由利子氏による講座「ゲーム音楽開拓時代」』⇒(http://togetter.com/li/208080)
 
「ゲームのハードという新しい楽器で、こんなこともできるはずだ、あんなこともできるはずだ、今まで人間がやってきたことの真似ではなくて、人間にはできないことをやらせてみようという試みが、日々本当に楽しくて。」
 
効果音も含めて同時に3音しか出ない黎明期のゲーム開発環境での制約へパズル感覚で取り組んでいった創意工夫精神は、ナムコ初の女性開発スタッフとしての環境改善においても発揮されていたようで、こういうタフで前向きな人だからこそデビュー作にして他に見られない個性的な『ディグダグ』を産み出せたのでしょうね。
 

シューティングで学ぶ英会話教室


 
出オチってレベルじゃない。
 

シューティング考現学

「第3回 弾幕の功罪」と題した今回は巻頭の東亜プラン特集と見事にシンクロした内容となっており、意図したものか偶然か、前者であればシャッポを脱ぐしかないレベルの構成です。
 
特集でも触れられていましたが、元東亜プランの上村健也氏による「テーブル筐体がアップライト筐体になった時点で縦スクロールシューティングの面白さは半減した!」という独自の視点からの意見については様々な異論・反論を呼びそうですが、面白さの質が「下がった」かはともかく「変わった」ことは確かなだけに興味深いですね。
 
以前のゲームサイドで指摘されていた、弾幕ゲーは特殊な技術やマンパワーに頼らずともビジュアルインパクトを生み出せることが中小規模のシューティングメーカーにとって都合がいいという側面もあると思いますが、かつてのシューティングが持っていた多様性を受け入れる余裕がユーザーとメーカー双方に残っていることを期待したいですね。