『天津向の4コマトーク vol.9』 雑感あれこれ
(参考URL:Togetter「天津向の4コマトーク vol.9 (ゲスト:師走冬子) 実況ツイートまとめ」 http://togetter.com/li/242580 )
…実はこれが後で裏目に出てしまったというオチが待ち構えてたんですけど、まさか天津向氏の名前を「あまつ むかい」と読むと思い込んでたバチが当たったんでしょうか。
Labyrinth〜午後10時の迷宮
「キルミーアニメ化に乾杯!」
で幕を開けた4コマトークでは、向氏が『キルミーベイベー』アニメのため地道にステマ活動をしてたり(※)、劇場版『けいおん!』が終わり際の20分ほど観ていれば理解できる内容だったことを知ったり(※)という4コマアニメネタ話に混ざって、以前にTV番組の企画で会った植田まさし先生に4コマトークへの出演交渉をしたところ、「毎日22時までスケジュールが決まっているから、その後なら出演してもいい」という答えたエピソードに会場の全員が感嘆するという場面もありました。
(※念のため言っときますが、真に受けないよーに)
Explorer〜開かれた性質
そうこうする内に今回のゲスト・師走冬子先生が登場。
昔から体が弱く、点滴を打ちながらでも片手で描けるという理由で漫画を趣味にしていたところ、友人のおーはしるい先生から4コマ誌の編集へ紹介されたのが漫画家になるきっかけだったという師走先生。
数々のキャラクターやストーリーを生み出してきた秘訣についての質問に対しては、自分の頭の中に”いる”キャラクターたちと会話し、彼らが嫌がるシチュエーションを与えられた時にどう反応するかを物語を反映させるとのこと。
独特な言い回しではありましたが、考えてみればなかなかにロジカルな手法と言えるんじゃないでしょうか。
Hallucination〜偶像幻想
ここでトーク前半が終了。
師走先生の直筆イラストが描かれたまゆりんファンクラブ会員証が付いたスペシャルドリンク「アイドルワイフ」は発表されるや否や、ステージに近い反面カウンターから遠い私の席へ店員が注文を取りに来る間もないハイペースで売り切れてしまう、元ネタである大人気アイドル・まゆりんを彷彿とさせる人気ぶりでした。
I Love 4Koma〜千載一遇ロック
撮影会も一段落して、4コマトーク後半開始。
…の前に、次回以降の出演オファーをかけるゲストを指名できる権利を巡る抽選会が始まったのですが、なんとここで私が当選。
驚きのあまり軽く舞い上がりつつ、飛び抜けてシュールな作風とエッセイ漫画でも見られる話題のディープさ等、興味深いトークが聞けそうな弓長九天先生の名前を挙げておきました。
Checkman〜四駒の御使い
4コマ作家諸氏との交流を誇らしげに語る向氏のトークは『タイム』『くらぶ』への投稿ネタ出しシンキングタイムを経て、4コマ編集部へ原稿をガチ持ち込みした体験談へ。
単純に好きな作品(『でり研』)が載ってるからと選んだ『まんがタイムジャンボ』では作品のシュールさを見た編集者に「ウチはファミリー誌なので」と、芸能人だと気付かれないまま一刀両断されたそうですが、
「分かりやすさのために描き込みを減らす勇気も必要」
「シュールな作品は、読者が引かないギリギリの線で勝負することになるので難しい」
といった編集者からの厳しくも真摯な指摘には、向氏だけでなく観客も感じ入った様子でした。
そんな真剣な空気の余韻を引きずりながら、以前に企画ネタの一環で向氏がゲスト掲載された『本当にあったゆかいな話』へ『ジャンボ』持ち込みとは別の体験エッセイ漫画を持ち込んだところ、なんとその場で系列誌の『芸能ズキュン!』にあっさりゲスト掲載が決まってしまったというオチに、当の向氏も拍子抜けしたようでした。
しかしコネ無しの作家デビューを果たす夢を諦めてはいないようなので、今後も向氏の戦いは続くようです。
ネタ込みとはいっても、実力でやっている以上は頑張ってもらいたいですね。
Epilogue〜神々の黄昏
気が付けばイベントも終盤に入り、師走先生が再登場。
師走先生の直筆イラスト入りサイン色紙(向氏のサインつき)抽選会が開始。オファー権を当てたついでに…と期待はしましたけど、さすがにラッキーは続かず色紙は当選しませんでした。
けれど、当選したお三方の好意でイベント終了後に色紙を撮影させて頂くことに。
イベントも佳境に入り、締めの定番コーナーとして「4コマとは」というテーマで色紙へちるみさんのイラストを描く師走先生。
下書きなしで可愛さ満点のちるみさんを描く師走先生の筆致に「さすがプロ作家」と感心しながらも、色紙のスペースを目一杯使ったイラストに不安を抱いた会場の空気を代表した向氏が思わずツッコミ。
「…で、「4コマとは」…?」
「え?」
…さすが4コマ業界きってのマジボケ女王。見事にオチをつけてくれました。
慌てて狭い余白に書いた言葉が「ありがとうございました」だったあたりに人柄がにじみ出ていましたけどね。
尚、残った余白に書かれた「4コマとは?」へ対する師走冬子先生の回答は、
「それぞれの人生」
病弱さと友人との縁がきっかけで人気作家になった波乱万丈な人生をポジティブに楽しんでいる様子の師走先生から出たと思うと、言葉自体はありふれているだけに却って含蓄深いですね。