さるたに秘密メモ@はてなブログ

不定期更新。ゲームとか4コマ漫画などなど。

シューティングゲームサイド VOL.03 雑感あれこれ

季刊ペースかと思っていたら、前回から3ヶ月と経たずに続刊が出てきたのは正直いって意外でした。
これも名作のサントラや東亜プラン作品が相次いで復刻されたり、新ハードやスマートフォンへ新作が発表されたりと、ここ最近にわかに盛り上がってきたシューティング界隈の勢いに刺激されたのでしょうか。
 

ナムコ・シューティング特集

先月に公表されて一部のレゲーオタを騒然とさせたUGSF公式年表(http://ugsf-series.com/)を軸にした作品紹介と、近年リメイクされた『ギャ』シリーズの開発者インタビューが中心となっています。
 
しかし、表紙からキャプチャービームで読者の心も掻っ攫おうと言わんばかりなボス・ギャラガインパクトに較べて、実際の記事は少々あっさり風味な仕上がり。
 
どうせなら『ギャ』シリーズの遺伝子を受け継いだ傑作『コズモギャング・ザ・ビデオ』や、早すぎたシューティング・ラブ『てんこもりシューティング』といったUGSF年表からハブられた作品について半ページくらいは割いてくれても罰は当たらないだろうにと思わずにいられません。

 

Chain Crusher

(公式サイト⇒http://pinball.co.jp/games/)

メーカー直々の紹介記事な上、後述する「シューティング考現学」とリンクしているという異例の記事でありながら、本文を読んでみないと他のゲームレビュー記事との違いが分からないという奥床しい構成だったり。
…この辺はゲーム本編にも共通してるのですが、出来がいいから見た目は地味でもいいだろうという、昔気質な作品にありがちな落とし穴に陥ってしまっている気がします。
 
実際、『Chain Crusher』は400MSPを払う価値があるゲームとは思いますが、あまりにも地味すぎるビジュアルはどう贔屓目に見てもマイナスポイントとなっています。
Geometry Wars』や期間限定値下げ中の『トラブルウィッチーズねぉ!』といった同価格のXboxLIVEアーケードシューティングの向こうを張るには、あまりにもアピールが弱すぎると言わざるをえないというか、覇王翔吼拳を使わざるをえないというか。
 

デススマイルズ for iPhone/ipad touch

(公式サイト⇒http://www.cave-world.com/jp/games/deathsmiles.html)

エスプガルーダII』『怒首領蜂大復活』に続くケイブiPhoneアプリシューティングは、ドラマCDのキャラクターを主人公に据えて、キャラデザ&ストーリー監修を4コマ漫画で活躍する森ゆきなつ先生が手がけるという、オリジナル色を前面に打ち出した展開となりました。
 
森先生によるオリジナルストーリーは本編との矛盾が起きないよう配慮されている一方で、本編では見られない夢の対決(http://f.hatena.ne.jp/Sarutani/20111004050134 ←ネタバレあり)も楽しめます。
 
アーケード版との違いはビジュアルだけに留まらず、難易度"NOMAL"までならともかく、"HARD"においては強力な装備アイテムを揃えていないとザコ敵にも撃ち負けるというバランスには賛否が分かれそうですが、これはこれで昔の移植作品で見られたRPG風アレンジっぽくてアリなんじゃないでしょうか。
 
ちなみに「ティアラさんの使い魔はどこかで見た覚えが…」という疑問については「同郷なんでしょうね^^」とのお答え。
…あの世界は魔界と繋がってるのか!?

タマさん 3 (まんがタイムコミックス)

タマさん 3 (まんがタイムコミックス)

 

シューティング考現学

前回は市場からの視点でシューティングゲームというジャンルが衰退した原因を分析していましたが、今回はゲームバランスから見た分析となっていて、反射神経や記憶力といった身体能力に依存する性質がシューティング離れを招いたという趣旨となっています。
 
確かに頷ける部分も多いのですが、90年代初頭あたりから高騰したシューティングの難易度が『怒首領蜂』のヒットに始まる弾幕シューティングブームでリセットされた事実に触れていない事が引っかかってしまいます。
 
90年代のゲームセンターは『グラディウスIII』『R・TYPEII』『雷電II』『達人王』といったマニア御用達の極殺シューティングが幅を利かせる一方、革命的なまでの完成度と店舗的においしい回転率を持った『ストリートファイターII』が巻き起こした格闘ゲーム旋風が吹き荒れた転換期であり、一見さんを初プレイで切り落とし、常連は1コインで小一時間ねばり続けるのが当たり前という殿様商売な非格闘ゲームはまたたく間にゲーセンから一掃されていきました。
 
そんな中で出現した『怒首領蜂』が評価されたのは、そのド派手なインパクトにデモ画面を見た客が思わず足を止めるほどの弾幕、興味本位で遊んでみるとアドリブでも何とかなる上に敵弾に当たりにくい低難易度といった、ビジュアルと手軽さにありました。
 
こうして派手なビジュアルとビギナーでも比較的遊べるお手軽さで評価された弾幕シューティングではありましたが、結局は『怒首領蜂大往生』などで見られる弾幕シューティングの難易度高騰化や、前回の当記事で触れられた娯楽の多様化で、技術の熟練という面倒な要素を軸とした既存のゲームジャンルが軒並み失速したことで元の木阿弥となったしまったわけですが。
 
…と、ここまで弾幕シューティングについて書き散らしてしまいましたが、次回の『シューティング考現学』は弾幕シューティングの功罪がテーマだそうで、ひょっとしたら先走ったことを書いちゃったかもしれませんね。
 
てへっ。